【生物】アメボゾア(スーパーグループ)

2023年11月10日授業の先の研究を知る,生物学,分類学

スーパーグループについてはこちら。

今回はこのスーパーグループの「アメボゾア」について解説していきます。

※和訳は[矢野ら(2020)]に準拠しましたが、アメボーゾアと呼ばれることのほうが多いようです。

アメボゾアとは

アモルフェア (Amorphea)
 ・アメボゾア (Amoebozoa)
 ・オバゾア (Obazoa)
   ・ブレビアテア (Breviatea)
   ・オピストコンタ (Opisthokonta)
   ・アプソモナダ (Apusomonadida)
・クルムス (CRuMs)
・マラウィオモナダ (Malawiomonada)
・ディスコバ (Discoba)
・メタモナダ (Metamonada)
・ディアフォレティケス (Diaphoretickes)
 ・SAR
  ・リザリア (Rhizaria)
  ・アルベオラータ (Alveolata)
  ・ストラメノパイル (Stramenopiles)
 ・テロネマ (Telonemia)
 ・ハプチスタ (Haptista)
 ・クリプチスタ (Cryptista)
 ・アーケプラスチダ (Archaeplastida)

※和訳は[矢野ら(2020)]に準拠。

オバゾアとともにアモルフェアを構成しているのがアメボゾアです。

その名の通り、アメーバの分類群と言っても良いでしょう。
また、キイロタマホコリカビなどの変形菌類もここに含まれます。
アメーバ赤痢で知られる赤痢アメーバもここです。

アメーバ

アメボゾアはさらに

アメボゾア (Amoebozoa)
 ・ディスコシア (Disco-sea)
 ・Tevosa
  ・ツブリネア (Tubulinea)
  ・エボシア (Evosea)

※和訳は[矢野ら(2020)]に準拠。

の3系統に分けられるようです。

階層分類では、アメーバ動物門として扱われることもあります。

上記の通り、五界説の関係としては、原生生物界の下位分類ともなり得る立ち位置です。

他のスーパーグループとの関係

アメボゾアには、その名の通りアメーバ動物が分類されます。
しかし、アメーバ運動をする生物はアメボゾアに分類される生物以外にも存在しています。

例えば、フォンチクラ。
こちらは、菌類に近い種として、オピスコンタに。

アクラシス科。
こちらは、ミドリムシなどが含まれるディスコバに。

グッツリノプシス科。
こちらは、放散虫などが含まれるリザリアに分類されています。

つまり、アメーバ運動をする生物。
あるいは、アメーバ細胞である時期と子実体である時期のライフサイクルをもつ生物。
これらは、平行進化の結果であると考えられます。

異なる系統の生物間で,進化に関して同様の傾向が認められる現象。たとえばある種の頭足類 (タコ) と,浮遊性の棘皮動物 (ナマコ) と,クラゲが,いずれも広がった傘形となることなどはその一例。

平行進化(へいこうしんか)とは? 意味や使い方 – コトバンク (kotobank.jp)

アメーバ運動をすることや、子実体を含むライフサイクルを送ることに、何かしらの利点があることを示唆しています。

スーパーグループの一覧

スーパーグループ
アモルフェア (Amorphea)
 ・アメボゾア (Amoebozoa)
 ・オバゾア (Obazoa)
   ・ブレビアテア (Breviatea)
   ・オピストコンタ (Opisthokonta)
   ・アプソモナダ (Apusomonadida)
・クルムス (CRuMs)
・マラウィオモナダ (Malawiomonada)
・ディスコバ (Discoba)
・メタモナダ (Metamonada)
・ディアフォレティケス (Diaphoretickes)
 ・SAR
  ・リザリア (Rhizaria)
  ・アルベオラータ (Alveolata)
  ・ストラメノパイル (Stramenopiles)
 ・テロネマ (Telonemia)
 ・ハプチスタ (Haptista)
 ・クリプチスタ (Cryptista)
 ・アーケプラスチダ (Archaeplastida)

※和訳は[矢野ら(2020)]に準拠。

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自称システムエンジニアのくせに、農学系の地方国立大に通うおかしな生き物。 ひつぎ教育研究所社長。